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土壌分析と肥料

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  最近では土壌分析が普通に行われるようになりました。我が家でもトマトは栽培圃場グループ毎に分析を行なって、適正な施肥に努めています。
作物は植物です、植物は土に育ちます、植物を育てるのに土の性質や成分を知ることはとても大切です。 土壌分析は作物を栽培していくのに必要な養分がどのくらいあるかを調べる作業です。養分は少なすぎても多すぎても作物は上手に育ちません。分析の結果によって、ちょうど良い施肥や管理を行うように努めます。



土性質(土性)について

土の性質は土を作っている粒子の大きさの割合で決まります。細かい粒子ばかりの土は粘りけが多く、粗い粒子だけだとサラサラした砂になります。物理的には粒子が粗い順に砂質、壌質、粘質、強粘質に分類しますが、農業的には砂土、砂壌土、壌土、埴壌土、埴土に分類します。

PH(ペーハー)

水素イオン(H+)濃度を表す指標です。濃度が高いほどPHの値は小さくなります。PHは0から14までの数字で表され7.0が中性、小さい数字だと酸性、大きいとアルカリ性といいます。

EC(イーシー)

電気伝導度のことで、土と純水を混ぜて電気の通りやすさを表す数字です。ほとんど電気をを通さない純水に土を混ぜて、どのくらい電気を通すようになったかを調べ、塩基分(特に硝酸態窒素)がどのくらい含まれているかを推定します。

リン酸(P2O5)

リン酸は肥料3要素の一つで、植物の生長に重要な要素です。細胞膜成分のリン脂質や遺伝子の構成成分になったり、呼吸やエネルギー代謝、光合成にも関与しています。リン酸が不足すると生育が遅れ、Zn、Fe,Mg欠乏を起こすこともあります。

カリ(K2O、カリウム)

カリは肥料3要素の一つで、植物の生長に重要な要素ですが、その働きについては良くわかっていませんが細胞液の浸透圧維持、PHの調整、酵素作用の調整に作用しているのではないかと考えられています。少なすぎると生育を著しく阻害し、過剰になるとCa、Mgの吸収を阻害し欠乏症を発症します。

石灰(CaO、カルシウム)

肥料の3要素に次ぐ植物に重要な要素です。植物体内での働きは良くわかっていませんが、タンパク質の合成に関与し、細胞膜の構造と維持に関わっているのではないかと言われています。欠乏すると細胞壁が壊れ、尻腐れや芯腐れなどをおこします。また、土壌が酸性に傾きMn,Fe,Znなどの吸収が阻害され、欠乏症を起こします。過剰だとMg、Kの吸収が阻害されます。

苦土(MgO マグネシウム)

苦土成分は葉緑素の構成成分で植物の成長のために必須元素です。ほかにもタンパク質合成や酵素の活性化に重要な働きをしています。不足すると葉っぱが黄変します。カリウムの過剰で吸収が阻害されます。過剰だと塩基濃度障害により、根の生育障害がおこります。

ケイ酸(SiO2)

ケイ酸の作用については良くわかっていませんが水稲では重要な働きをしています。不足すると生育が遅れたり、出穂が遅れたり、実入りが悪くなったりします。過剰では大きな障害はありません。

腐植(humus)

土の中の有機物には、動植物や微生物の死骸などの易分解性有機物と土壌中の微生物により分解と再合成により作られた難分解の高分子有機化合物があります。それぞれ非腐植質、腐植と言います。作物には直接吸収されませんが、土壌の物理性、科学性、生物性などの土壌改良効果があり、腐植含量多いことが良いとされています。

窒素(硝酸態窒素、アンモニア態窒素)

窒素は肥料3要素の一つで、タンパク質の構成に必要な成分です。窒素は土の中では有機態窒素、無機態窒素があり、植物は無機態窒素を利用しています。有機体窒素は微生物により無機態窒素のアンモニア態窒素に分解され、さらに硝酸態窒素に分解されて植物に利用されます。窒素は過剰になると生育が旺盛になりますが軟弱になります。不足すると生育が悪くなり黄化します。 




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