片品村で生産されている農産物のルーツ(作物名をクリックするとジャンプします。) |
現在の農産物はどこでも栽培できるように品種改良がされてきましたが、それでも生まれ故郷の気候や土壌条件などに大きく左右されています。原産地を知って、原産地に近い栽培環境を作ってやることにより、健康で、美味しいものができる秘訣かもしれません。
■ 品種・・・アブラナ科野菜。日本各地で古くから改良されていて100以上の種類があります。世界的にはヨーロッパ系(ラディッシュなど)や中国系の品種があります。
■ 原産地・・・アブラナ科野菜という点では原産地は地中海沿岸ですが、大根はヨーロッパから麦が中国に渡来した時に雑草として混入していたものを、中国人によって野菜化されたものです。
日本には弥生時代には伝わったようで”オオネ”と呼ばれていました。
■ 品種・・・ナス科トマト属。水分の少ない荒地でも生育でき、根の伸びる力が大変強い植物です。多湿を嫌います。
■ 原産地・・・南米のアンデス高原(標高3000mの高地)が原産。アンデスでは紀元前1000年には栽培されていたという説もあるが、
一般的には10世紀ごろメキシコに持ち込まれた野生種のトマトが野菜化されたという説が有力です。
1530年頃にスペイン人によってジャガイモと共にヨーロッパにもたらされ、最初は観賞用として栽培されていましたが、
1600年頃から南欧諸国で煮物やケチャップとして食用にされるようになりました。 日本には17世紀に紹介されました。ヨーロッパと同様に最初は観賞用で、
一般に食べられるようになったのは明治になってから。ケチャップの普及とともに全国に広まりました。
■ 品種・・・ウリ科カボチャ属。野生種は根の部分が越冬しますが、栽培種は一年生です。色々な風土になじむので世界中で栽培され、 品種や変種も多い野菜です。
■ 原産地・・・カボチャの原産地は中南米というのが定説です。30年ほど前までは原産地についてインド、ナイル河沿岸、ペルー、アンゴラ、
南アジアなどの諸説が紹介されて確定していませんでした。 最近になって中南米の遺跡の研究が進み、メキシコの洞窟で紀元前7000年~5500年の地層から
カボチャの種が発見されて、中南米原産説が定説になりました。 日本には漂着したポルトガル船が、カンボジア産のカボチャ
(現在の日本カボチャ)を大名に贈ったのが最初と言われています。
この時にカンボジアから持って来たのでカンボジアがなまってカボチャと呼ぶようになったと言われています。
■ 品種・・・アブラナ科アブラナ属。日本でキャベツというのは結球性(葉が何枚も重なりあって球状になる)のものです。
■ 原産地・・・地中海沿岸有史以前からギリシア、ローマなどでケール(青汁の原料)が栽培され、 ヨーロッパ各国で改良されて現在のキャベツ類(ブロッコリー、
カリフラワー、芽キャベツなど)になったと言われています。
■ 品種・・・ウリ科の一年草。もともとは苦味や渋みの多い野菜だったが品種改良によって最近ではほとんど苦味を感じません。
中国で西方民族の事を”胡”と表したので、西方から来た瓜という意味で”胡瓜”という名前になりました。胡麻(ごま)や胡桃(くるみ)などと同じです。
日本では、
江戸時代以前には完熟して黄色くなってから食べていたので、黄瓜(きうり)と呼ばれていたが、後に中国と同じ”胡瓜”という字があてられるようになりました。
■ 原産地・・・ネパールからインド西部この地域に野生のキュウリ存在し原産地と考えられています。この野生は苦くてとても食べられないそうです。栽培は3,000年以上前から行われ、
苦味が無くなるように品種改良が続けられているのです。日本には6~10世紀の間に中国から伝来し。本格的に普及したのは江戸時代の後期からです。
■ 品種・・・マメ科。隠元(いんげん)豆をサヤごと若採りしたもの。 日本では平安時代よりサヤ豆と言えばササゲ豆が代表でしたが、
江戸時代末期にサヤ豆用のインゲンが伝来するとそのサヤの厚さと甘味で急速に普及し、ササゲを圧倒してしまいました。
■ 原産地・・・南アメリカのメキシコ近辺。メキシコのテワカン渓谷の洞窟で発見されたインゲン豆は栽培された品種で紀元前5000年頃のものと考えられています。コロンブスによる新大陸発見にともなってヨーロッパに伝えられました。日本には明の僧(後の隠元禅師)が1654年に持ち込んだので、隠元豆という名が付いたと言われています。
若サヤを食べる専用種は江戸時代末期(19世紀後半)に渡来したといわれています。
■ 品種・・・ショウガ科ショウガ属の多年草。地上に出ている部分は冬に枯れてしまいますが、翌年にまた出てきます。ヤブの中など日陰の湿った所を好みます。みょうがには、夏に花を付ける夏茗荷(やや小型)と秋に花を付ける秋茗荷(やや大型)があります。
■原産地・・・日本原産と言われていますが、中国、インドにも野生種があります。
■ 品種・・・ユリ科。グリーンアスパラとホワイトアスパラがありますが種類は同じです。陽に当てないように盛り土をして育たものがホワイトアスパラです。
地下に細い貯蔵根があり、そこから若い芽が何本も生えてきます。多年草で一つの株で10年以上も収穫できます。
雄株と雌株があり、雄株の方が太くておいしいと言われていますが、見分けるのは難しいです。
■原産地・・・地中海沿岸古代ギリシア時代から栽培されていたそうです。日本では、昭和40年代に北海道でホワイトアスパラが盛んに栽培され、缶詰として売られていました。
今では全国でグリーンアスパラが栽培されています。
■ 品種・・・ナス科ナス属 Solanum
tuberosum簡単に栽培できて生育が早く、貯蔵もできるので、世界の主要作物の一つになっています。ジャカルタからもたらされたのでジャガタラ芋と言われたのが名前の由来です。
■ 原産地・・・南アメリカのアンデス高原(標高3000mの高地)が原産、アンデスでは紀元前から栽培されていました。1530年頃スペイン人のアメリカ航海によってヨーロッパに伝播しました。当初フランスでは「根に毒があって食べると病気になる」と言われていましたが、ドイツでは積極的に栽培されて食用にされました。以降、貯蔵のできるデンプン作物としてヨーロッパ全土に普及しました。日本には1600年頃に渡来し、最初は根が有毒だという話で観賞用に栽培されたのですが、芽の部分を除けば食用として優れている事がわかり、また寒い地方でも十分に栽培できることから北海道、東北で作られるようになりました。
本格的に普及したのは1874年に北海道開拓使が優良品種を導入した後で、1884年の大凶作の時に政府が「再植馬鈴薯の記」というパンフレットを作って栽培の仕方や調理法を広めたのがきっかけです。
■ 品種・・・ナス科ナス属。野菜類の中では特に高温・高湿を好む夏野菜の代表です。また栽培には多くの肥料を必要とします。
■ 原産地・・・インド原産、日本には7~8世紀に伝えられたと考えられます。日本各地で古くから栽培されているので、各地に地域固有の品種があります。
■ 品種・・・アブラナ科アブラナ属。中国原産の代表的な野菜です。キャベツと同様、結球する品種と結球しない品種がありますが、日本で普通にハクサイと呼ぶのは結球または半結球するタイプです。
■ 原産地・・・中国11世紀頃、カブ(アブラナ属)とツケナ(コマツナ、ミズナなどアブラナ属)が交雑してできたと言われています。日本では、明治の初めに清国政府から送られた種子を名古屋で栽培したのが始まりで、全国的に普及したのは昭和に入ってからです。日清・日露戦争の時に、日本の兵士が中国でハクサイを食べたのが、全国的に広まるきっかけになったということです。
■ 品種・・・アカザ科ほうれん草属。”菠薐草”とも書きますが、菠薐とは中国語でペルシア(イラン)の事です。雌雄異株。
■ 原産地・・・アフガニスタンかイランが原産地イランでは古くから栽培されていました。ほうれん草はヨーロッパと中国で独自に改良されて西洋種と東洋種ができました。日本には17世紀に中国から東洋種が、1861年にフランスから西洋種がもたらされました。
■ 品種・・・ユリ科ネギ属(アリウム属)。ネギは葱ではなく、本来は根葱と書いた方が語源の意味を表しやすく、強い匂いを表す”気”が語源です。
古いネギの俗称は”ひともじ”と言います。正確には葱はネギ属の総称で、ニンニクやニラも含みます。
■ 原産地・・・中央アジアのパミール高原。日本には中国、韓国経由で10世紀以前には伝来していました。
中国にも葉ネギと白ネギがあることから、両種類が日本に伝来したと考えられます。
■ 品種・・・セリ科。
■ 原産地・・・アフガニスタンが原産地。今でもアフガニスタンには紫色や黄色など様々な色、種類のニンジンがあるそうです。
12世紀に中国とヨーロッパに伝えられ、中国とオランダで改良されて東洋系の大長人参と西洋系の西洋人参が
できました。日本には1600年前後に中国系の商人が伝えたと言われています。
■ 品種・・・マメ科の一年草。比較的冷しい気候を好みます。
■ 原産地・・・中国東北部からロシア大豆の野生種であるノマメと栽培種が混在している中国東北部からロシアのアムール川流域にかけてが原産地と考えられています。
中国では紀元前3000年から栽培していたと言われます。日本には遅くても弥生時代の初期には伝わっていたと思われ、古事記にも五穀の一つとして書かれているように、古くから重要な作物でした。
ヨーロッパに伝わったのは18世紀、アメリカに伝わったのは19世紀と比較的最近です。
■ 品種・・・マメ科。 南アメリカ原産で、ヨーロッパ、アジアなどに伝わったのは17世紀ですが、その後の200年間で世界中に急速に広まりました。
豆が大きく、皮が柔らかくて調理しやすく美味。 また若サヤさやいんげんも美味しいというのが人気の理由でしょう。
■ 原産地・・・メキシコ近辺。
メキシコのテワカン渓谷の洞窟で発見されたインゲン豆は栽培された品種で紀元前5000年頃のものと考えられています。
コロンブスによる新大陸発見にともなってヨーロッパに伝えられました。
日本には明の僧(後の隠元禅師)が1654年に持ち込んだので、隠元豆という名が付いたと言われています。(しかし隠元が持ち込んだのは本当は藤豆だとも言われています。
関西地方ではこの藤豆を隠元豆と呼び、逆に一般にインゲン豆と呼ばれているものを藤豆と呼んでいます。)