聞いて集めた昔の話 第13回
(平成17年7月)
鎌田温水溜池は、現在の片品中学校の南側に位置しており、平成10年度より鎌田地区県営水環境整備事業で親水公園として整備されて、農業用水としての利用をしたり、又 溜池には湿地の植物もあり、鯉や鮒などの魚、昆虫、鳥等が生息しており、鎌田地区住民の散策の場所や、保育園児、小中学生の自然観察の場所として利用されています。
昔の温水溜池は村山の湧水を貯えて水温を上げて良質米の増産を図るとともに、旱魃(かんばつ)に備えることを目的に国有林の借地により昭和27年に着工し、昭和28年に完成されたそうです。当時の耕作者は鎌田以外の人が大部分だったが多くの方々のご理解とご協力を頂いて出来たそうです。
又、この事業にはもう一ツの目的があり、鎌田地区は飲料水の不足のため地域の発展が伸び悩んでいたので、現状を打開するため飲料水の水源として利用することを目的に、片品村の理解と協力を得て事業を行ったと云う。この大事業を進めるために星野晴氏、大竹龍蔵氏、星松五郎氏外多くの役員各位のご努力のより完成したそうです。
その後、幾度かの改修工事を行って維持して来ましたが昭和36年に農林省より敷地の一部を開放により(6,609㎡)を払い下げを受けた。なお溜池の公共用水としての見地から、片品村と協議の上、村有地としたそうです。
溜池敷地、10,863㎡(所有地、6,609㎡、借地、4,254㎡)
貯水可能量、8,000立方、組合員、68名
永く農業用水として利用された溜池も、食料事情の変化でその利用状況も変わり、周辺に中学校の移転、村の施設(結婚の森)設置や住宅地の開発等によって周辺の環境が大きく変化し、このような状況の中で県の事業として自然を活かした環境整備が進められて、溜池組合、鎌田地区役員外の関係者の協議の上で平成10年度より整備事業が始まり現在の親水公園になったそうです。
この温水溜池を利用して米栽培が行われていた農地も、昭和50年代に片品中学校の移転や住宅地としての開発など、また 農業の近代化が進む中でほ場整備の必要性が高まり、昭和54年に国の補助事業として村営鎌田土地改良事業の話が始まったそうです。
地権者は県外者も含め村内に広がっており、鎌田以外の地権者が多数であったり、地形の悪く湿地帯のために工事の実施が危惧されたそうですが、各地区代表者による協議を重ねた結果ほ場整備をする合意が得られたので、地権者全員の参加を求めて同年12月23日の総会で中部土地改良組合の設立されてこの事業が始まったそうです。
昭和55年に計画認定になり3ケ年で区画整備、暗渠排水、換地、確定測量、客土等の工事を実施し、所在地区は鎌田、広田、宮前、村山に渡り、施行面積は9.5ha、総工事費112百万円、昭和63年8月27日に事業完了し、改良後の効果として道路、水路の整備で住民の生活、通学、地域の発展に貢献できたと云う。
世代交代で今は自分の子供と同じくらいの年代の人達が役員をしているが、今後も親水公園と土地改良事業が地域の発展に活用されればと須藤文一さんは当時を思い出しながら話してくれました。