聞いて集めた昔の話 第7回

御座入の祭

 (平成16年12月)

 御座入に伝わるお祭りとして次の4ツが現在も行われているそうです。
 4月にはあきや様(火ぶせの神様)の祭があり、現在では御座入の上方より宇条田峠の手前にある武尊神社の境内に祀ってあるが、昔は宇条田峠を500㍍位登りはじめてから左の沢を登った岩山の平らのところに祀ってあり若い衆が担ぎ桶に粟等が沢山入った赤飯を運び上げて参拝者に振る舞ったのでとても賑ぎあい帰りにはホウキ木を採って帰ったが、野火で社が焼失(時期は不明とのこと)したために現在の場所に新しく祀ったそうです。祭日は昔は4月24日に行っていた、生活環境の変化に伴いが現在では4月下旬の日曜日にする様になったそうです。
 6月には(天王様)の祭が行われているが夏に向かって疫病やはやり病などが発生しない様に祈願して初なりの「きゅうり」などを供えたり、その年の役員が麦や米を集めて造った甘酒を供えてから村人に振る舞ったと云う。この祭は大東亜戦争後に一時中段されたが現在は又続けられているが甘酒は衛生的な理由からかなくなったと云う。。
 夏まつり「諏訪様」(食産信仰、農産物の豊作を祈願)は8月31日(旧暦の7月)に行われており、まつりの当日は役員を先頭に「世の中の良いときは、駒に角が多いそろ」と云いながら神社のまわりを3回まわった後に鳥居のしめ縄を鎌で切って神社の中をお参りしたと云う。(昔は鉄砲で空砲を鳴らして「猿や鳥をいかくする意味」から刀でしめ縄を切ったそうです。)その後にその年に不幸のあった人達がお参りをする習わしになっているそうです。
 祭には寄付で買った菓子やジュースなどをくれると云う。 秋まつり(武尊様)「祭神は日本武尊」(やまとたけるのみこと)は旧暦の9月(現在の10月31日)に行われて、当日は「おかり屋」をつくり餅をついて供えてから餅投げをしていたが、現在では餅を供える人、赤飯を炊いて供える人など世の中の変化と共に変わって来たそうです。又、武尊神社の氏子の家では「日本武尊」がサトイモの葉で足をすべらせてゴマの枝で目をついたためにサトイモとゴマは作らない風習になっていると云う。
 神社への参道は村道の拡幅などで変わって来たが昔の参道は桑原虎吉さんの北側より星野角三さんの裏をとおり林の中を登り神社の前に出る道があるが現在はほとんど使われていない。今までの神社が長い間の風雪などで老朽化したために部落民から新築をしたいとの声もあって、今年に役員が中心になり会議をもって新築をすることに決定し、部落民の寄付などで秋に落成して秋祭と一緒にお祝いしたそうです。
 この話しをしてくれた星野一布さん、星野ふみさんは昔からの祭が受け継がれることと神社が新築されてよかったとしみじみと話しをしてくれました。

 

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