聞いて集めた昔の話 第8回

登戸に伝わる虚空蔵菩薩

(平成17年2月)

 登戸部落には昔から虚空蔵様の祭りが行われており、祭日は毎年4月13日(旧暦の3月13日)になっており、お堂は今泉富司宅の脇を登った林の中に祀ってあり昔は村中の人がお参りに行ったそうです。

 祭の前日には村人が人足に出てお堂の回りやお参りに行く道を掃除して、参道には紙を貼り替えた「行灯」を吊り下げて夕方に祭の総健長が行灯の火を灯してお参りをする人の安全を願ったそうです。  この話しをしてくれた星野みつ子さんが娘時代には虚空蔵祭の日に演芸会が行われて祭が近づくと部落内の大きな家の座敷を借りて部落の若い衆が蓄音機で赤城の子守歌や佐渡おけさなどのレコードをかけて練習した踊りを村人にして見せるのでそれが楽しみだったそうです。
 虚空蔵様の日には十三参りと云って十三才の少年、少女が盛装して、福徳、知恵、音声を授かるためにお参りをして、その年の世話役の人が供えた赤飯を頂いて来て家中で食べたそうです。(虚空蔵で有名なものとしては、京都の嵐山法輪寺が「十三まいり」のお寺として知られており、本尊虚空蔵菩薩(こくぞうぼさつ)は嵯峨の虚空蔵さんとして古くから親しまれており、今昔物語、枕草子、平家物語などに記述され、知恵、福徳、技芸上達そして丑寅年生の護本尊の仏様として知られているそうです。) 又、虚空蔵様は仏様の供養で初七日から三十三回忌まで十三回の追善供養仏事に配当した三十三回忌の虚空蔵菩薩となっており、昔はお堂で念仏を上げて供養をしていたが今ではお参りする人も少なくなり祭の方法も変わりましたが、祭当日に部落の集会所に70才前後の人が15人位集まり念仏を上げて供養をしているそうです。最近では念仏を申せる人が年々少なくなるので50才代の人にも声をかけて参加を呼びかけて後継者つくりをしているそうです。

  虚空蔵様のお堂が永い間の風雪や雨で傷みがひどくなり、昨年お堂を新築をしたいとの話しが出て部落の役員が先になって寄付をお願いしてお堂が新築されたそうで、お堂が新築をされたことで虚空蔵様の祭りが昔のように賑やかになってくれればと星野一二、みつ子さん夫婦は話してくれました。

 

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